概要
Parallels RAS が機能するには、少なくとも 1 つの RAS Secure Gateway をインストールする必要があります。RAS サイトに Gateways を追加することで、さらに多数のユーザーやロードバランス接続に対応し、冗長性を実現することができます。
専用サーバーに RAS Secure Gateway をインストールする
専用サーバーに RAS Secure Gateway をインストールする場合、同じサーバーに Parallels RAS Console もインストールできます。コンソールの機能は制限されますが、Gateway で次のような重要な管理作業のいくつかを実行できます。
- Gateway の動作モードの設定(通常モードまたは転送。詳細については、下記を参照してください)。
- Gateway を管理する RAS Connection Broker の割り当て。
- Gateway 通信ポートの設定。
- ホスト OS バージョン、Parallels RAS バージョン、利用可能な IP アドレス、などの Gateway 情報の表示。
このようなインストールシナリオ(RAS ファームではなく、ローカルコンピューターに接続されている場合)では、RAS Console の左ペインで選択できるカテゴリが、[ゲートウェイ] と [情報] の 2 つのみになります。Gateway 設定を管理するには、[ゲートウェイ] を選択し、右ペインで [所有権の変更] をクリックします。情報を表示するには、[情報] カテゴリを選択します。
RAS Console が Parallels RAS ファーム(つまり、RAS Connection Broker が動作しているサーバー)に接続している場合、[ファーム] > <サイト> > [Secure Gateway] に移動して、RAS Secure Gateway を管理できます。
RAS Secure Gateway の仕組み
ここでは、RAS Secure Gateway がユーザーの接続要求を処理する方法について説明します。
- RAS Secure Gateway は、ユーザーの接続要求を受信します。
- その後、要求を登録先の RAS Connection Broker に転送します(デフォルトでの推奨 Connection Broker 設定)。
- RAS Connection Broker は、ロードバランスチェックと Active Directory セキュリティ検索を実行し、セキュリティ権限を取得します。
- 公開済みのリソースをリクエストしたユーザーが十分な権限を持っている場合、RAS Connection Broker はゲートウェイに応答を返します。応答には、ユーザーがどの RD セッションホストに接続できるかについての詳細が含まれます。
- クライアントは、接続モードに応じて、ゲートウェイを介して接続するか、ゲートウェイを切断して RD セッションホストサーバーに直接接続します。
RAS Secure Gateway の動作モード
RAS Secure Gateway は、次のいずれかのモードで動作します。
- 通常モード: 通常モードの RAS Secure Gateway は、ユーザー接続リクエストを受け取った後、要求したユーザーにアクセス権があるかどうかを、RAS Connection Broker に確認します。このモードで動作するゲートウェイを使用することで、より多くのリクエストをサポートすることができ、冗長性を向上させることができます。
- 転送モード: 転送モードの RAS Secure Gateway は、ユーザー接続リクエストを、事前に構成されたゲートウェイに転送します。ファイアウォールカスケードを使用する場合は、WAN 接続を LAN 接続から切り離すのに転送モードのゲートウェイが役立ちます。また、転送モードのゲートウェイを使用すると、問題発生時に LAN を中断することなく WAN セグメントを切断できます。
高可用性のためのプラン
RAS Secure Gateway をサイトに追加する際、ユーザーに提供するサービスが中断しないよう、N+1 の冗長性を構成する必要があります。これは、Connection Broker や RD セッションホストなど、他の Parallels RAS コンポーネントにも当てはまります。