セカンダリ Publishing Agent

冗長性を確保するためにセカンダリ Publishing Agent がサイトに追加されます。このように、マスター Publishing Agent が障害を起こしても、セカンダリ Publishing Agent を利用してリクエストを処理できるようになっています。Publishing Agent は、高い可用性を確保するために、アクティブ/アクティブ構成で機能します。Publishing Agent が障害を起こしても、負荷を処理できるように予備の Agent が常に待機しています。一般的に、N+1 の冗長構成をサイトごとに使用する必要があります。自動昇格には 3 つを超える Publishing Agent を設定してはなりません(自動昇格は本セクションの後半で説明します)。

セカンダリ Publishing Agent を 1 つ以上インストールしておくと、ランタイムデータが各 Agent に複製されるため、サービスで障害が発生してもダウンタイムが最小限に抑えられます。さらに、アクティブないずれかの Publishing Agent が、AD および使用される二要素認証プロバイダーの両方の認証のために使用されます。

マスター Publishing Agent はセカンダリ Publishing Agent と同じタスクを実行しますが、それ以外の責任も負います。つまり、単一の Publishing Agent による管理が必要な特定のプロセスを管理します。次の表は、マスター Publishing Agent とセカンダリ Publishing Agent によって管理されるプロセスのリストです。

プロセス

マスター Publishing Agent

セカンダリ Publishing Agent

PA(カウンター)のモニタリング

あり

あり

RD セッションホスト(カウンター)のモニタリング

あり

あり

VDI ホスト(カウンター)のモニタリング

あり

あり

TS セッション(再接続)のモニタリング

あり

あり

展開済みの TS アプリケーションのモニタリング

あり

あり

VDI セッション(再接続)のモニタリング

あり

あり

システム設定の管理

あり

いいえ

ライセンス情報とハートビートの送信

あり

いいえ

CEP 情報の処理および送信

あり

いいえ

レポートサーバーへの情報の送信

あり

いいえ

TS スケジューラーの管理

あり

いいえ

エンジン情報のレポート

あり

今後のバージョン

シャドーイング

あり

今後のバージョン

メール通知の送信

あり

いいえ

複数の Publishing Agent の間で負荷分散がどのように機能するかを示すために、次の例を考えてみましょう。

  • Publishing Agent が 2 つあるとします。その内訳は、PA1(マスター)と PA2(セカンダリ)です。
  • また、RD セッションホストは 10 台あるとします。TS1、TS2 ...TS10 がその内訳です。

発生する負荷は次のように分散します。

  • TS1、TS2 ...TS4 は、PA1 を優先 Publishing Agent として使用します。
  • TS5、TS6 ...TS10 は、PA2 を優先 Publishing Agent として使用します。

セカンダリ Publishing Agent の計画

同じサイトで実行されている RAS Publishing Agent は、相互に通信し、負荷を共有します。1 つの Agent から別の Agent に伝送されるデータ量が膨大なため、信頼性の高い高速通信チャネルが求められます(たとえば、サブネットワークを Publishing Agent の通信用に構成できます)。

セカンダリ Publishing Agent をサイトに追加して、その IP アドレスを指定します。すべての Agent の IP アドレスが、必ず同じネットワークセグメントに属するようにします。Publishing Agent が相互の通信に使用するポートは、TCP 20030 です。

サイトに追加できる Publishing Agent の数に物理的制限はありません。ただし、結果が最も良好になるのは、2~3 の Agent のみが存在する場合です(Agent を 2 つにすることをお勧めします)。2~3 を超える数のセカンダリ Publishing Agent をサイトに追加すると、逆の効果が生じ、実際にはシステムのパフォーマンスが低下する可能性があります。これはスタンバイモードのセカンダリ Publishing Agent には当てはまりませんので注意してください。スタンバイモードのセカンダリ Publishing Agent については、 「RAS Publishing Agent の構成」 で説明されています。

サイトへのセカンダリ RAS Publishing Agent の追加

セカンダリ Publishing Agent を追加するには、次の操作を実行します。

  1. RAS コンソールで、 [ファーム] / <サイト> / [Publishing Agent] に移動します。
  2. [タスク] ドロップダウンメニューをクリックし、 [追加] を選択して、 [RAS Publishing Agent を追加] ウィザードを起動します。
  3. [サーバー] フィールドは、RAS Publishing Agent をホストするサーバーの FDQN または IP アドレスを指定します。
  4. [IP] フィールドは、サーバーの IP アドレスを指定します。 [サーバー] フィールドに指定した FQDN を使用して IP アドレスを自動的に取得するには、 [解決] ボタンをクリックします。
  5. [代替 IP アドレス] フィールドでは、1 つ以上の代替 IP アドレスをセミコロンで区切って指定します。これらのアドレスは、RAS Secure Client Gateway が、FQDN または [IP] フィールドに指定されたアドレスを使用して RAS Publishing Agent に接続できなかった場合に使用されます。これは、Active Directory に参加していない別のネットワークからゲートウェイが接続している場合などに起こる可能性があります。
  6. 指定したサーバーに RAS Secure Client Gateway もインストールする場合は、 [Publishing Agent を使ってゲートウェイをイントール] オプションを選択します。このオプションを選択すると、 [SSL 証明書を追加して HTML5 ゲートウェイを有効化] オプションを選択することもできます(詳細については、「 ゲートウェイでの HTML5 サポートの有効化 」)を参照してください。
  7. サーバー上のファイアウォールを自動的に構成するには、 [ファイアウォールルールを追加] オプションを選択します。詳細は 「ポート参照」 を参照してください。
  8. [次へ] をクリックします。
  9. 次のページで [インストール] をクリックして、RAS Publishing Agent をサーバーにインストールします。 [RAS Terminal Server Agent のインストール] ダイアログが開きます。
  10. RAS Publishing Agent がインストールされるサーバーを選択して、 [インストール] をクリックします。
  11. [完了] をクリックします。
  12. [OK] をクリックして、サーバーをファームに追加します。